十数年前、埼玉県の大宮市と浦和市を中心に、
四つの市が合併することになった。

合併するときには、必ず起こることだが、
浦和市の人は大宮市と名乗ることに反対し、
大宮市の人も浦和市と名乗ることに反対した。

大揉めに揉めた結果、収拾がつかず、
結局さいたま市となった。

漢字ではなく、ひらがなでさいたま市である。

とてもかっこ悪い名前だと思う。

なぜそうなったか詳しくは書かないが、
要するに、四つの市が喧嘩をしているうちに、
いつの間にかひらがなにまでなってしまったということだ。

さいたま市に住んでいる人に、どこに住んでいるのか聞いたら
多分、「大宮」とか、「浦和」と答えると思う。

さいたま市と答える人はほとんどいないのではないだろうか。



私の住んでいる「台東区」も、とてもかっこ悪い名前だ。

さいたま市と同じで、喧嘩の末に出来た名前だからだ。

お上の都合で市町村の合併は過去に何度も起こっている。

台東区も、昭和の時代の合併で出来た区だ。

その前は、下谷区と浅草区だった。

この合併の時も、両市が大揉めに揉めて、
この地域に縁もゆかりもない台東という名前で手打ちをしたのだ。

現在は、台東区台東という地域がある。

最寄り駅で言うと、御徒町ということになる。

かつて私はこの辺りに住んでいたが、
住民たちは誰も台東という言葉を使わない。

この地域も、かつてはたくさんの町に分かれていた。

だから彼らも自分の住む場所を町の名前で言う。

台東というのは行政区分のためにつけられた名前で、
歴史の中から自然に呼ばれた名前ではないということを
彼らもわかっているのだ。

そこには御徒町、竹町、ニ長町など
行政区分からは消えてしまった町が今も人々の中にある。

このブログでは、昔の町名がたびたび登場するかもしれない。

地図にない名前なので、わかりにくいかもしれないが
ご勘弁願いたい。

行政区分の名前で言うと、しっくりこないからである。

例えば、台東二丁目は
二長町の一部であり、竹町の一部であり、御徒町の一部でもある。

東上野一丁目とか、北上野二丁目などというよりも、
西町だとか、入谷町という言い方のほうがしっくり来ると思う。

番号のような呼び方も良いが、
昔から呼ばれている名前で言った方が
その地域の歴史を感じることが出来るように思う。